2013年8月3日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。




関東地方は梅雨が明けたのですが、夜明けの時間帯に関しては7月中旬から雲に覆われた日が

続いています。しばらく夜明けの写真は投稿できないかも知れませんが、ご了承ください。



上の映像は、野生のコアラが民家に遊びにくるものを撮ったもののようです。本当に可愛いですね。



この映像を見ながら、100年前に絶滅したと言われる「日本オオカミ」が、今でもこの日本のどこか

で生きていて欲しいと願い、また出会いたいと思っていました。



「赤頭巾ちゃん」などで悪者にされることが多いオオカミ。しかし1995年以降、アメリカのイエロー

ストーン国立公園では森にオオカミを放つ試みをしておりますが、人を襲ったことはなく、逆に森の

生態系の回復に役立っていると聞いています。



近くの丹沢山系の森林は、増え続けている野生の鹿の食害により森が死につつあります。以前、

この山奥で何度か星空観望したのですが、必ずと言っていいほど近くで鹿の足音が聞こえてき

ます。



日本の古い記録ではオオカミが人を襲った報告が残されていますが、オオカミが人を襲うのは

狂犬病にかかったオオカミ、餌付けなどで人を恐れなくなったオオカミ(決して餌付けをして人に

慣れさせてはいけない)、子育て中に突如餌動物を失ったオオカミ(インドで起こった事件で、

村人がガゼルなどの過剰な狩猟により、子育て中のオオカミが自然餌を失った)に限られて

います。ちなみに狂犬病に関しては日本では50年前に撲滅されているそうです。



「一般社団法人 日本オオカミ協会」のサイトでは、「1990年代以降、フランス、スイス、ドイツなど

ヨーロッパ各地でオオカミが復活し、生息地を拡大しています。このため、ヒツジやヤギなどの

放牧家畜に被害が出ていますが、人身害は発生していません。」と書かれています。



今から100年前のオオカミへの偏見が満ちていた時代。あらゆる先入観を持たず、ありのまま

のオオカミの姿を記録したシートンの言葉を抜粋紹介します。以前の投稿にもこの言葉を書い

たのですが、シートンの偉大さを改めて感じさせると共に、日本でもオオカミを森に放つことへ

の議論が真剣になされることを願っています。



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この章で私は、オオカミの勇敢さ、騎士道精神、強さ、遊び好きな性格、忠誠心、獰猛さ、親しみ

やすさ、思いやり、英雄的な態度、それにやさしさなどについて、さまざまな証拠をあげながら

論じてきた。



悪意に満ちた人間社会のうわさ話に終止符を打ち、この動物の誠実で勇敢な姿を読者に示し

たいというのが、私の願いだった。



私はまるでごみ箱を引っかきまわし、なかからほんのひとかけらの金片を見つけ出そうとするか

のように、猟師たちから根堀り葉堀り聞き出し、小さな真実のかけらを見つけ、つなぎあわせよう

としてきた。



そうしたなかから読者に、この野生動物の本当の姿、本当の生活を少しでも察知してもらうことが

できただろうか。



こうして山と積んだすべての証拠を見て、望むならさらに手に入れることのできる大量の証拠が

あること、それに「ロボ・・・カランポーの王様」の物語(基本的に事実にもとづいている)に書かれ

たことを思い起こしていただければ、わかってもらえるのではないだろうか。



私がオオカミを心の底から愛していること、そして、私がオオカミこそは真の高潔さ、すなわち、

輝かしい動物界の英雄にふさわしい性格のもち主だと信じて疑わないことを。



「シートン動物誌2 オオカミの騎士道」紀伊国屋書店より抜粋引用



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