2012年6月22日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



代表者を如何にして選ぶか(インディアン・イロコイ連邦のピースメーカーを感じながら)。
写真はFB友達の伊藤研人さんから紹介してもらったDVD「世界を癒す13人のおばあちゃん 
これからの7世代と、さらに続くこどもたちへ」から引用。



選挙が近づくと大声で「お願いします、あと一歩、あと一歩です」なんて聞くと、どこかの漫才でも

ないがリハビリしているのかと言いたくなってしまう。



僕が描く理想的な代表の選び方は、水洗式である。チェ・ゲバラは虐げられている者への共感が

根底にあったが、維新だの改革だの叫んでいる人たちは、ただ単に自分の、民衆の頭の中を

真っ白にして古いものを一瞬にして洗い流したいだけだろう。



あれ、字が間違っていた、推薦式である。



住民が地域社会に対して行ってきたその人の活動なり言動を見て、この人だったらこの地域に

住む人、そして広く日本に住む人のために良い方向に導いてくれる、彼(彼女)に代表者になる

意志はなくともそんな人を推薦する。



そして各地(村単位)で推薦された人たちが集まって、町まり市なり県・国の代表者を推薦していく。



インディアンの社会においてどのようにして族長を選ぶかに関しては詳しくないが、ある部族は

女性だけの投票で族長(男性)を選ぶところがあり、推薦式なのだろう。



勿論、インディアンの部族という小さな集団での選び方が、そのまま日本にあてはまるかは疑問も

多いだろうが、一つの視点になるのではないだろうか。



話は飛ぶが、アメリカ合衆国には治外法権が適用されFBI(米連邦捜査局)さえ踏み込めない

準独立国・色恋連邦がある。



あ、また間違った。イロコイ連邦である。



今から1000年ほど前に結成されたこのイロコイ連邦の民主的な制度に通じていたフランクリン

(独立宣言起草委員)は、イロコイ連邦組織を手本にオルバニー連合案(1754年)を作り、この

多くの要素が現在の合衆国憲法にも取り入れられている。



このイロコイ連邦を作ったとされるピースメーカーの物語を少し紹介したいが、彼の物語はロング

フェローの叙事詩「ハイアワサの歌」でも有名であり、如何に代表者を選ぶかということも示唆され

ていると思う。



ピースメーカーの物語、「ハイアワサの歌」はロングフェローの脚色が多すぎるため違う文献から

引用したい。



☆☆☆☆



そこで、ピースメーカーは語りかけた。人間はだれでも<グッドマインド>をもっていて、それを使え

ば人間どうしも、また地球上の生きとし生けるものとも平和に共存できるし、争いも暴力ではなく話し

合いで解決できる。



だから、血で血を洗う殺し合いはもうやめよう、と。



彼はまた、九つの氏族を定めて乱婚を避けること、そして相続は母系で行うことを教えた。



家や土地や財産は母から娘へ引き継がれ、子どもはすべて母親の氏族に属するのである。



各氏族は男性のリーダーとして族長を、女性のリーダーとして族母を選び出し、族長と族母には

それぞれ補佐役として男女一人ずつの信仰の守り手(Faith Keeper)がつく。



族長は族母によって選ばれ、族長にふさわしくない言動があれば、族母はそれを辞めさせること

もできる。



氏族メンバーの総意で選ばれる族母は、つねに人びとの意思を汲み上げる大きな責任を負う。



族母(クランマザー)の由来は次のように伝えられている。



ピースメーカーがオンタリオ湖の南岸に着いて平和行脚をはじめたばかりのころ、セネカ族の

土地で峠の宿を営む女将に出会った。



そこは東西を結ぶ街道の要所で、彼女は道ゆく戦士たちを心づくしの食事でもてなすのが

自慢だった。



しかし乱世のこと、それは争いの火に油を注ぐ役目も果たし、また彼女自身、ときどき食事に

毒を盛っては人殺しに手を染めることがあったという。



そこへ通りかかったピースメーカーの話を聞くと、女将はたちまち平和の道にめざめ、すっか

り改心して最初の支持者となる。



ピースメーカーは彼女を「生まれ出ずる国の母」を意味するジゴンサセと名づけて讃えた。

初代クランマザーの誕生である。



「小さな国の大いなる知恵」ポーラ・アンダーウッド著より引用。



☆☆☆☆




(K.K)





inserted by FC2 system