2012年4月16日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。
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円空(1632〜1695)が創った像(庚申像)
この像は自分が苦しいとき、その時に本当に会いたい顔の一つかも知れません。円空の像は
この表情だけではなく、様々な顔を見せてくれます。
生涯12万体を作ったとされる円空。時の権力者にすり寄らず庶民のために、人を救うために
像を作り続けた円空。梅原猛さんによると、円空は私生児として生まれ幼くして母を洪水で失い、
お寺のお坊さんになったと言われています。
遠くは北海道のアイヌの人と生活し、多くの地で仏像を作り続け庶民に愛された円空。その円空
の仏像も、明治初めの廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)などで失われ、12万体のうちの数千体しか
残されていません。しかし、人を救うために円空が仏像に込めた願いや祈りは、時を超えて人び
との心に刻み続けていくのかも知れません。
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円空は、仏像を芸術品としてつくったのではありません。売るためでもないし、芸術家として有名
になりたいためでもありません。
円空は人を救うために仏像をつくりました。
池の怪物を鎮めるために、千体の仏を池に沈めたという話もあります。
また、ぼろぼろの朽ちた木を仏にするために仏像をつくったといわれます。
芸術というものは、本当はそういうものなんです。
芸術は人を救うためにあるものです。
「梅原猛の授業 仏になろう」より引用
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(K.K)
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