2012年3月27日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。
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1週間後の4月3日午後7時の星空
中央に星がごちゃごちゃ集まっている所がプレアデス星団(すばる)で、金星がその近くに大接近します。でも
都会やその近郊では、すばるをはっきりと肉眼で見るのは厳しいかも知れません。双眼鏡ですと同じ視野に
金星とすばるが輝いて見えると思います。
地上の風景はストーンヘンジで設定してみました。画像下のオプションでフルスクリーンにすると大きく見えます。
星図の右に「悪魔の星」と書きましたが、「見ると怖いぞー、見ると大変なことが起きるぞー、見るんじゃないぞー」
と脅かすつもりではありません。この星には逆に美しい発見物語があります。
「悪魔の星」アルゴルをアラビア人は「最も不幸で危険な星」と呼んでいました。それはこの星が明るさを変える星
だったからです。実はこのアルゴルの周りを暗い星が回っており、暗い星がアルゴルの前を通過するときに暗く
なることを最初に提案したのは、イギリスの若者グッドリックでした。
グッドリックは、耳が聞こえず口もきけないという不自由な体でしたが1782年から翌年にかけてアルゴルの変光を
追いつづけたのです。1786年、その功績によりロンドンの王立協会会員に選出されますが、その4日後にグッド
リックは肺炎により22歳の若さで他界してしまいます。美しい話と同時に悲しい物語かも知れません。
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現代人は古代人に比べれば、その知識において驚くほど多くの事を知り得る機会に恵まれている。
にもかかわらず、大部分の人びとは太陽は東から昇り西に沈むといって怪しまない。
宇宙に生起している不思議な諸現象のかなりの部分が明らかになったが、逆に現代人は古代人よりもそう
したことに注意を払わなくなった。
人工照明のために、自然が織りなす天空の交響楽というべき星のまたたきを身近に感じられなくなってし
まったのである。
その意味で現代人は古代人より不幸だといった見方もできよう。
干からびた知識よりも、まず自然の中に自分が包み込まれることを経験することの方がいまでは大切なのだ。
あるいは天文考古学は現代人の陥った精神的空虚さを無意識のうちに取り戻そうとしている行動なのかも
知れない。
「天文考古学入門」桜井邦朋著より引用
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(K.K)
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