2012年2月18日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。
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「沖縄文化論 忘れられた日本」岡本太郎著 中公文庫 より以下引用します。
著者は「太陽の塔」などで有名な芸術家の故・岡本太郎さんです。
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はじめは清らかに単純だ。美しくしずまった森。神託によって定められた聖域が氏族生活の中心だ。
その秘めた場所に、ひそかに超自然のエネルギーがおりてくる。それにつながり、受けとめることを
ぬきにして、彼らの生活の原動力を考えることはできない。
そびえたった一本の木。それは神がえらんだ道。神の側からの媒体である。
この神聖なかけ橋に対して、人間は石を置いた。それは見えない存在へ呼びかける人間の意思の
集中点、手がかりである。
自然木と自然石、それが神と人間の交流の初源的な回路なのだ。この素朴な段階でこそ、神と人
間は相互に最も異質でありながら、また緊密だった。
人間は神を徹底的に畏れ、信じた。やがて形式主義がはじまる。ただの石ころから四角い切石の
体裁に。
神と人間の通いあう清冽な流れの中に、人間の匂いが、一種の夾雑物としてまじわりはじめるのだ。
それは自己増殖する。
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(K.K)
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