2012年2月6日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。
画像省略
M1(おうし座の超新星残骸:かに星雲)
前の投稿でベテルギウスの爆発を書きましたが、この画像は今から約1000年前の1054年7月4日頃
に超新星爆発した名残りの星雲を撮ったものです。金星の6倍明るく23日間に渡って昼間でも見えた
この爆発は、藤原定家の「明月記」やアナサジ族(北米西部の先住民)によっても記録されています。
かに星雲の星までの距離が6500光年に比べて、ベテルギウスはその10分の1の640光年。ですから
ベテルギウスが爆発すると、100倍(距離の二乗に反比例)も明るく輝くことになります。
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アナサジ族に関してですが、チャコ・キャニオンの西メサに「Penasco Blanco」と呼ばれるところがあり、
そこの岩面彫刻にこの超新星爆発が描かれています。
アナサジ族はかなりの天文学知識を持っていたと言われており、平原インディアンが住む地には500万
〜600万ものストーン・リング(環状列石)が残っています。その大きなものはメディシン・ホイールと呼ば
れており、これはイギリスのストーンヘンジと同じようなカレンダーの意味を持っていたのではないかと
考える人もいます。
アナサジ文化は西暦紀元に始まったと言われますが、チャコ・キャニオンから300kmにも渡って真っ直
ぐな道路が伸びており、村や重要な重要な祭祀所を結んでいました。
その後、ナバホやアパッチの部族の侵入により移動を余儀なくされますが、チャコ・キャニオンから続く
アステク遺跡、ソロモン遺跡、ケイサス・グランデに至る620km、これらの遺跡の全てが西経108度の
線の上に並べられています。その意味はわかりませんが、高度な天文学知識を持っていたことは容易
に想像することができるかと思います。
このアナサジ族の子孫が「ホピ族」と言われています。
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話は変わりますが、この「かに星雲」が位置するところは「おうし座」というところです。オリオン座に近く
「すばる」で有名なプレアデス星団が位置する星座です。
「おうし座」という星座の位置は、平原インディアンにとっても重要な意味を持っており、「白いバッファロ
ーの女」という有名な伝説に出てくる存在を星空に投影していました。有名なメディスン・マンのクロウ・
ドッグは次のように語っています。
「この聖なる女性がスー族に聖なるバッファローの子牛のパイプをもたらした。このパイプをもたない
インディアンなどいるはずがない。その女性が来る以前、人々はどうやって暮らすか知らなかった。
人々は何も知らなかった。<バッファローの女>が人々の頭に聖なる知識を植えつけたのだ」
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(K.K)
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