2012年1月16日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。
画像省略
ホピ・インディアンの長老で、アメリカ先住民族運動の精神的リーダーのひとりであるトーマス・
バニヤッカ (Thomas Benyacya 1999年他界) の紹介と言葉を書きます。
写真では左側に写っている方がトマス・バニヤッカです。
「ネイティブ・アメリカン 叡智の守りびと」ウォール&アーデン著 築地書館から引用します
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1948年、第3メサの長老たちは、トーマス・バニヤッカを含む4人の若者を、自分たちの
「耳と舌」となるように選んだ。この4人の若者の役目は、ホピの予言に伝えられている恐
ろしく深刻な警告を外の世界に広めることだった。
ホピの予言には、「ハウス・オブ・マイカ(国連の意)」と、「灰のつまったヒョウタン(原子爆
弾)」が登場しており、人間が破壊的な生き方を変えない限り、避けることのできない大火
災--- 清め ---が起きるであろうとのメッセージがこめられている。
この予言を伝える4人の使者のうち現在生きているのは80代半ばのトーマス・バニヤッカ
ただ一人であり、彼はまた伝統派のインディアン運動におけるスポークスマンの一人でも
ある。(中略)
「この土地で起こっている問題の原因は、鉱業界の連中がこの地に眠る石炭が欲しいた
め、いやそれ以上に、核兵器の原料、ウラニウムを手に入れたいからなのだ。ホピの予
言には、核兵器のことが伝えられている。それは灰の詰まったヒョウタンと呼ばれ、白人
があちらこちらへと飛ばし合い、そのうち誰にも消すことのできない炎を空一面に広げて
しまうものだ。
もしおまえさんたちが今やっている行いを正さなければ、自然そのものが手を下すことに
なるだろう。どうすることもできない強力な“力”が現れるのだ。ホピの予言に伝えられて
いる“最終段階”が今なのだ。近年各地で起こっている地震、噴火、火災、ハリケーンの
数々 ---これは最後のしるし、最後の警告なんだ。地球はすでに最終段階に入っている。
ホピの予言によると、最終段階では白人がインディアンの土地を盗むことになるらしい。
予言に伝えられたことは、すべて現実となっている。私たちは祈りと瞑想を通して、この
世界をあと少しの間、破壊しないでくださいと偉大なる精霊に頼んでいるのだ。だが、白
人への罰はすでに下されつつある。浄化はもう始まっているのだ。(中略)
平和で調和のとれた暮らしを、この大地とすべての生命との調和を保てる暮らしをさせ
てくれ。世界の調和を保つには、祈りと瞑想しかないのだ。
ホピの予言では白人について、こう伝えられている。もともと白人は私たちの兄弟であり、
東の方角へ旅立っていったのだ。白人はそこで発明について学び、みんなの生活を向上
させるためにそれを持ち帰るはずだった。そうすれば、白人は私たちの精神の輪を完成
させられるはずだったんだ。しかし、白人は輪のシンボルを持ち帰りはせず、代わりに
十字架を持ち帰った。
輪は人々を引き寄せ、十字架は人々を引き離す。十字架は分裂を引き起こすものだ。
白人はインディアンたちを十字架のように引き離してしまいたいのだよ。奴らは私たち
をつるしたいのだ--- ウラニウムでできた十字架に!」
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僕はマルコス政権下のフィリピンを訪れたことがある。この旅で未だに忘れられない言
葉がある。先の大戦中、両親を日本兵に殺されたその男性はこう言った。「私はずっと
日本人を憎んできました。でもあなた達がここに来ることを聞いて、私は許すことができ
るよう一生懸命神に祈って、やっと来ることができました」
彼の目には憎しみはなかった。先の大戦は僕たち世代が関与したわけではない。しか
し、同じ日本人が起こしたことと、それに苦しめられてきた人のことを無関係と呼ぶこと
は僕には出来ない。
これはキリスト教にもあてはまると思う。何故この悲劇が起こったのか、必死になって
その原因を探り感じなければならないと思う。
トマス・バニヤッカ氏の心の叫びを僕がどれほど汲めるのか甚だ疑問だ。しかし彼の
言葉が自分とは無関係だと思いたくはない。
(K.K)
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